秋の味覚といえば、やっぱり「松茸」。
なかでも岩手県は、全国でも有数の松茸の名産地として知られています。
香り高く、姿かたちも美しい岩手の松茸は、東京の高級料亭や百貨店でも取り扱われるほどの一級品。
自然豊かな森と、人々の長年の努力が育んだ“森の王様”を、自宅で味わえる贅沢は格別です。
今回は、岩手の松茸の魅力と、ブランド「岩泉まつたけ」についてご紹介します。
なぜ岩手の松茸は有名なの？
岩手県は、長野県と並んで日本有数の松茸の産地として知られています。
かつて広島や岡山などでも豊富に採れた松茸ですが、松くい虫や里山の荒廃で産地が衰退。
その一方で、岩手県は手入れの行き届いたアカマツ林を多く残し、現在も安定して松茸が採れる数少ない地域です。
特に岩泉町や山田町は、松茸の名産地として全国から注目され、首都圏の高級料亭や百貨店にも出荷される一級品が揃っています。
「岩泉まつたけ」とは
「岩泉まつたけ」は、岩泉町で採れる松茸の中でも、特に質の高いものだけに与えられるブランド名です。
地元で長年松茸に携わってきた人だけが認定される「岩泉まつたけマイスター」が厳しく選別し、香り・形・味わいの三拍子揃った松茸だけが「岩泉まつたけ」を名乗ることができます。
さらに、全国初の松茸専門研究機関「岩泉まつたけ研究所」が長年培った栽培研究や心を込めた山の整備によって、岩泉町は松茸の収穫量を飛躍的に増やし、ブランド力を確立しました。
現在では地域団体商標にも登録され、岩泉町の誇る特産品となっています。
岩手の松茸の旬
岩手県の松茸は、例年8月下旬から顔を出し始め、10月上旬にかけて最盛期を迎えます。
本州の北に位置するため秋の訪れが早く、全国の中でもいち早く松茸を味わえるのが特徴です。
近年は猛暑や少雨の影響で出始めが遅れることもありますが、その分、10月以降まで新鮮な松茸を堪能できるのが魅力。
雨と気温の下がり具合によって豊作・不作が大きく左右される、まさに自然が育む“森の王様”といえるでしょう。
松茸の加工品は365日松茸を味わうことができます。
「森の宝」という”松茸酒“は、松茸好きさんやお酒好きさんには一度試してみて頂きたいレアアイテム。
岩手松茸の歴史：岩手が国内トップレベルの松茸産地になるまで
岩手が松茸の名産地として定着した背景には、研究と地域の努力があります。
1990年に設立された「岩泉まつたけ研究所」では、松茸研究の第一人者である吉村文彦氏を所長に迎え、人工栽培や山の整備方法を研究。研究所発足前の4倍近い収穫量を実現しました。
また、「松茸は里山の恵み」という理念のもと、アカマツ林の手入れや環境保全を徹底。
松茸が生える森を守ることが、地域の自然や暮らしを豊かにし、ひいては持続的な松茸の収穫につながってきたのです。
まとめ
「岩手の松茸＝手入れの行き届いたアカマツ林＋長年の研究と努力＋自然が織りなす旬の恵み」が揃った、全国トップクラスのブランド。
岩手の松茸は、ただ希少なだけでなく、森の手入れや研究の積み重ねによって守られてきた特別な存在です。
だからこそ、口にした瞬間に広がる香りと旨みは、一度味わえば忘れられません。
ふるさと納税の返礼品としても用意されているため、旬の時期にあわせて申し込めば、自宅で料亭クラスの松茸を堪能することができます。
数量限定・期間限定の品も少なくないため、気になる方は早めにチェックしてみてください。
👉松茸生産高トップ！長野県の松茸記事はこちら
参考サイト（敬称略）
まつたけ十字軍がゆく（一般財団法人セブン-イレブン記念財団）
https://www.7midori.org/katsudo/kouhou/kaze_archive/miserarete/15/index.html
岩泉まつたけマップ（岩泉商工会）
https://www.shokokai.com/iwaizumi/maps/matsutake/
マツタケ、なんでこんなに高級なの？ 秘密の山奥で考えた｜博士が遺した「生える山」の極意（withnews）
https://withnews.jp/article/f0220923002qq000000000000000W08k10601qq000025118A
マツタケやっと出た、でもいつまで続くか（朝日新聞）
https://www.asahi.com/articles/ASRB36TWZRB2ULUC01L.html
「やっぱりないか」キノコ生育、岩手で遅れ 猛暑や少雨影響か 「入荷連絡ない」販売施設も
https://www.iwate-np.co.jp/article/2025/9/18/186712
マツタケどっさり 2日間で140本も 豊作で山づくりに手応え（朝日新聞）
https://www.asahi.com/sp/articles/ASSB73VNTSB7UJUB008M.html
