日本三大和牛の一つ、「松阪牛(まつさかうし)」。
とろける霜降りと上品な甘みは、まさに和牛の最高峰です。

この記事では、松阪牛の正しい読み方や歴史、定義から、美味しい食べ方までわかりやすくご紹介します。
「松阪牛」の正しい読み方
「松阪牛」は まつさかうし または まつさかぎゅう が正しい読み方です。
「まつざか」と濁らせたり、「松坂牛」と表記したりするのは誤りなので注意しましょう。
松阪牛の定義
松阪牛は単に「松阪で育った和牛」ではありません。
松阪牛協議会が定めた次の条件を満たした牛だけが、その名を名乗れます。
- 品種:黒毛和種の雌牛で出産経験がないこと
- 生産地域:三重県松阪市を中心とした旧22市町村エリア
- 肥育条件:生後12か月以内にこの地域に導入され、最終かつ最長期間をこの地域で育てる
- 登録:松阪牛個体識別管理システムに登録済みであること
この厳格な基準をクリアした牛肉だけが、公式シールと個体識別番号付きで「松阪牛」として出荷されます。

松阪牛の歴史
松阪牛のルーツは江戸時代。
当初は農耕や荷物運搬の役牛として飼われていましたが、明治期に食肉文化が広がると、その美味しさが注目されます。
1900年代には全国の博覧会で受賞し、ブランドとして確立。
松阪市内には発祥を伝える石碑が立ち、現在も伝統的な肥育法が受け継がれています。
松阪牛が美味しい理由
● 霜降りと脂の質
松阪牛はサシ(霜降り)が細かく、脂肪の融点が約17℃と低いため、口に入れた瞬間にとろけます。
手のひらでもトロリと溶け出すほどです。
豊富な不飽和脂肪酸、特にオレイン酸がまろやかさを生み、健康面でも注目されています。
● 和牛香(わぎゅうこう)
加熱するとココナッツや果実を思わせる甘く上品な香りが広がります。
この「和牛香」はしゃぶしゃぶやすき焼きで最も感じやすく、松阪牛の魅力を一層引き立てます。

松阪牛が高級とされる理由
- 肥育は平均約3年、特産松阪牛では900日以上。時間とコストがかかります。
- 子牛の選定から飼育環境まで徹底管理され、個体識別システムで安全性も保証。
- 生産頭数が少なく、需要に対して希少。
こういった希少な条件が松阪牛の高級品たる所以であり、価値を裏づけています。
松阪牛の美味しい食べ方
ステーキ
霜降りと赤身の旨味をシンプルに楽しめる王道。
厚切りをレア〜ミディアムで焼き上げるのがベストです。

すき焼き
割り下にくぐらせて卵を絡めれば、甘みと香りが際立ちます。
お祝いの席や贈り物にもぴったり。

しゃぶしゃぶ
昆布だしにさっとくぐらせるだけ。
和牛香ととろける食感をダイレクトに堪能できます。

ローストビーフ
そのまま食べたい松阪牛をあえてローストビーフにした逸品。
お料理の手間がかからないのもうれしいですね。
サンドイッチやどんぶり飯がご馳走に早変わり。

まとめ
松阪牛は、厳しい基準と長期肥育によって生まれる極上の和牛。
霜降りの甘み、低い脂肪融点による口どけ、そして独特の「和牛香」が他にはない贅沢な味わいを届けます。
ふるさと納税の返礼品としても人気で、自宅で気軽にブランド牛の真髄を楽しめるのも魅力。
ステーキ、すき焼き、しゃぶしゃぶ——どの調理法でも、その上品な旨味と香りに感動するはずです。

参考サイト(敬称略):
松阪市
https://www.city.matsusaka.mie.jp/site/matsusakaushi/oishisanohimitsu.html
松阪牛とは?味や品質の特徴から美味しい食べ方まで徹底解説(テレ東 虎ノ門コラム)
https://www.toranomon-ichiba.com/column/t-category/niku/matusakausi.html
解説・松阪牛の定義(松阪牛協議会)
https://www.city.matsusaka.mie.jp/site/matsusakaushi/donna.html
科学で見る松阪牛(松阪牛協議会)
https://www.city.matsusaka.mie.jp/site/matsusakaushi/kagaku.html
松阪牛の美味しさの秘密(松坂まるよし)
https://www.matsusakaushi.co.jp/matsusakaushi-tasty.php
「松阪牛」の美味しさの理由は霜降りにあり!味の特徴や生産体制、スペシャルグレード「特産松阪牛」まで松阪牛を大解明!(観光三重)
https://www.kankomie.or.jp/report/1213
松阪牛の知っておきたい美味しい食べ方4選(霜降り本舗)
https://sekofood.co.jp/eat-4select/
松阪牛の焼肉を家族みんなで楽しもう!松阪牛の美味しい食べ方(肉の田じま)
https://nikunotajima.com/column/howtoeat-matsuzakabeef-grilledmeat/